前回、DJIが撮影したウエディング動画「EPIC Wedding – 誓いの日」を取り上げながら、プロのブライダル・ビデオグラファーの仕事や、RAW収録が可能なDJIの手持ち型4Kカメラ「DJI Osmo RAW」による撮影方法についてご紹介しました。
DJI Osmo RAWを用いた地上撮影は、こちらのメイキング映像でも詳しく述べていますので、本稿と合わせてご覧ください。本作品の地上撮影を担当したDJI JAPANの映像パートナーであり、DJIのカメラスタビライザー「DJI Ronin」シリーズや「DJI Osmo」シリーズのマスターでもあるMatt(e) ProductionのMatthew Carmody氏が解説しています。
今回は、ウエディング映像を効果的に引き立てる空撮とRAW収録後のカラーグレーディングについて解説していきます。
空からの視点が映像を引き立てる
鳥の視点から見る世界は非日常的で、観る人を強く惹き付ける力があります。しかし、ドローン空撮が登場する以前には、空からの撮影といえばヘリコプターをチャーターしなくてはならず、その撮影コストは高額で、個人が気軽に映像制作に取り入れるということはできませんでした。
この動画は、DJIが今夏に沖縄で空撮した映像です。 美しい海や山々を空から眺めてみる、こうしたことが誰にでも可能な時代がやってきたのです。
地上からよりも空から見る方が、当然一度に捉えられる情報量が多く、どこにいるのか、どのような風景が広がっているのかを観る人に伝えやすくもなります。注意点としては、せっかく撮ったのだからとあれこれと詰め込みたくなるものですが、説明的になり過ぎないようにするのは地上撮影と同じです。
「EPIC Wedding – 誓いの日」では、淡路島の美しい海岸に建つ式場や、誓いの言葉を交わしたチャペル、参列者の集合空撮シーンを盛り込んでいます。このように、ウエディングの地撮に、空撮の俯瞰的な視点を効果的に組み込むことで、その作品表現の幅が大きく広がります。
空撮は非常に奥が深いものです。同じ景色が流れているだけだと単調になりやすく、撮影時のカメラワークや飛行速度のコントロール、 編集時のカットポイントの決めが重要です。空撮テクニックについては改めて解説していきます。
作品作りの要、カラーグレーディング
一眼レフカメラをお持ちの方であれば、RAW現像といえば馴染みがあるかと思います。加工されていない”生”の状態の映像を撮影後に作品表現に合わせて調整していく工程は、動画の場合も同じです。「EPIC Wedding – 誓いの日」は、ドローン空撮用に開発されたRAW収録可能なカメラ「DJI Zenmuse X5R」を搭載する「Inspire 1 RAW」と手持ち型に応用した「DJI Osmo RAW」で撮影しています。
RAWで動画を撮ることの利点は、その幅広いダイナミックレンジを生かして、明暗差の激しい場面、屋内から屋外またはその逆を撮るといった露出変化が激しいシーンでもしっかりと明暗のディテールを残していること、さらに動画の編集時、ポストプロダクションの過程において、作品の最初から最後まで一貫したトーンで世界観の表現に取り組むことができることです。
撮影前のロケハン時点から、カラーグレーディングも想定しながら撮影本番の段取りを練っていくことが大切ですが、ウエディングはまさに筋書きのないドラマです。撮り直しができない、リアルタイムで進行するイベントで、大切な日の思い出を撮り収めていくためには、現場であらゆる環境の変化に対応できるスキルと知識が求められます。
パート1、2を通じて、 ブライダル・ビデオグラファーの仕事について触れてきました。DJI Osmo RAWやInspire 1 RAWのようなツールがあれば、これまでできなかった映像表現が可能になり、ドローン空撮を用いたウエディング作品はこれからますます盛り上がっていくことでしょう。
最後に、 「EPIC Wedding – 誓いの日」の本編をぜひもう一度ご覧ください。
撮影協力:
空撮:
DJI JAPAN
地撮:
Matt(e) Production (DJI JAPANパートナー)
撮影機材:
空撮 - DJI INSPIRE 1 RAW
地撮 - DJI OSMO RAW
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