DJI、オーストラリアの 海岸救助隊を空撮技術で支援

警察庁が発表している「平成27年における水難の概況」によると、平成27年の水難死亡・行方不明者の割合は、海が52.8%で、河川は29.7%、用水路が8.6%、湖沼地で7.2%、プールは0.6%と海での事故件数が突出しています。 

夏になれば海水浴客で賑わうビーチでは、不幸な事に水難事故が少なからず発生しており、事故発生時の探索・救援活動を行うライフセーバーにとっては、発生から救援までにかかる時間短縮は絶えず求められる課題です。

今回は、DJIのドローンをビーチにおける捜索・救難活動活用するオーストラリアの事例をご紹介します。 


海岸救助隊「Surf Life Saving Central Coast (SLSCC) 」

 DJI は、オーストラリアの 海岸救助隊「Surf Life Saving Central Coast (SLSCC)」と共同で、オーストラリアのビーチにおける捜索・救難活動をドローンで支援する事を発表しました。

DJI と SLSCC は、6 ヶ月間の準備期間を経て、DJI の空撮プラットフォームの活用手法をSLSCC の有する捜索救難マニュアルへ統合する作業を進めています。その領域には、サメの居場所特定から溺れている海水浴客の発見、海岸の危険な岩場の識別や、ライフセーバーの誘導などが含まれます。


SLSCC  捜索救難隊ディレクター Brett Beswick 氏
「歴史的にみても、私たちがサメを見つけるのは、海岸に非常に近い場所、つまり海水浴客のすぐ近くです。しかし、ドローンを使えばまったく新しい視点からサメをより早く効率的に見つけることができます。今までは、サメが海岸からいなくなったかどうかもわからないまま、ビーチを 30 分間閉鎖していましたが、隊員は DJI のドローン技術を使うことで、極めて安全に現場の状況を確認できるようになります」

ドローンによる空撮はサメの監視だけでなく、海や岩石の岬で行方不明になっている海水浴客や漁師の捜索や救援活動における重要な情報を提供することが可能です。DJI が行った山岳地帯での調査によると、ドローンは 1 平方キロメートル内にいる人物を 20 分以内に発見することができます。これは、従来の方法と比較すると5 倍の早さで、岩石の多い海岸線でも同様の結果が得られると予想されます。  


DJI によるドローンを活用した人命救助の研究(※英語のみ)では、世界中で少なくとも 59 名の人命救助を確認しています。また、ドローンが捜索救難活動で重要な役割を果たしている事例の多くは、ここ 10 ヶ月間で報告されていることから、今後のより広範囲なドローン利用により、ドローンが捜索救難活動に貢献できる大きな可能性を示しています。 


DroneSAR -捜索救難用ソリューション 

 DJI は、2016 年 11 月に捜索救難用ソリューションの 「DroneSAR 」を発表しました。このソリューションは、標準カメラ、赤外線カメラの両方から、映像と動画のライブストリーミングを災害時指令センターや現場の捜索救難隊に提供します。

DroneSAR は非救助者の GPS 座標へのタグ付けが可能で、自動で捜索隊チームに E メールまたは SMS メッセージを送信し、地上にいる隊員は要救助者のいる現場まで迅速に到着することができます。また、すべての活動パターンを完全に記録、ログ化して、チームでの共有も簡単に行えます。 

人命に関わる救難・救護の分野でドローンの活用は瞬時の判断が求められる現場での意思決定を支援でき、Surf Life Saving Central Coast (SLSCC)のような取り組みが今後広がっていく事が期待されます。 

DJI JAPAN Official Blog

ドローン世界シェア No.1 DJIの公式ブログアカウントです。ドローンだけでなく、高性能カメラやスタビライザーの開発なども手掛けるメーカー。公式ブログでは、DJI製品で撮られた空撮・地撮コンテンツの紹介から最新ニュース、イベント情報などを配信しています。

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