「Life of Pi(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)」の撮影監督 Claudio Miranda氏とDJIがタッグを組み、映画レベルのハイクオリティな空撮を可能にする「DJI Inspire 2」のみで地上と空から短編映画「The Circle」の撮影に挑戦。この作品は、大恐慌のアメリカを舞台に父親(Ryan Phillippe)が 疎遠になっていた息子(Noah Schnapp)との再開を果たし、失われたはずの絆を取り戻す物語です。
DJIは、スタジオレベルの撮影を可能にしつつも低コストかつ使いやすく、長期の使用にも耐えうる機器を求める映画製作者のニーズを重要視してきました。Inspire 2は、デュアルバッテリー搭載により前モデルと比べて飛行可能時間が2倍になった事に加え、前方、後方、上方向に備える衝突回避センサーやZenmuse X5Sカメラが8種の幅広いレンズラインナップと交換可能となるなど様々な進化を遂げています。
さらに、DJIは新たに「CrystalSky」という晴天の屋外でも視認しやすい高輝度モニターも発表しました。「The Circle」の撮影では、直射日光下でのシーンも多く、従来まではドローンパイロットにとって困難だった映像確認を容易にしました。
「The Circle」は、 RAW収録が可能なZenmuse X5Sカメラが用いられており、これにより幅広いダイナミックレンジによる撮影を可能にしています。例えば、車の走行中といった照明機材の設置が難しいシーンでも、車中にいる登場人物の顔を捉えながら窓外の景色のディテールもしっかりと記録しています。
これらの撮影をダイナミックレンジが狭いカメラで試みた場合、適切な露出を得る事が難しいでしょう。X5Sが実現する約12ストップのダイナミックレンジは、こうした課題を克服してくれます。本作のディレクターを務めたDJIのSheldon Schwartzと映画監督 Claudio Miranda氏は、屋内外で展開される動きの多い複雑なシーンや小スペースの僅かな動作のみのシーンの両方において、Inspire 2のよる新たな撮影手法を確立しました。
Inspire 2の興味深い発展は、CineCore 2.0システムを実装する機体内部に映像処理システムを備えた点にあります。従来まではドローンのカメラシステムは機体の外部に装着することが常であり、そのためレンズやセンサーだけでなく映像処理や収録システムに対してもスタビライザーが求められていました。これはシステムの切り替えを容易にするというメリットがある一方で、搭載可能な映像処理システムが物理的な制約を受けるという課題もありました。
その映像処理システムをInspire 2の機体内部に搭載することで、DJIはより豊富な収録フォーマットと優れたリアルタム処理システムを実現。Inspire 2のユーザーは、MicroSDカードに代わり、CineSSDドライブが利用できるほか、H.264またはH.265フォーマットに加え、有償ライセンスでProResやDNxHDでの収録も可能になりました。
パート2へ続く。
INSPIRE SHOWCASE SERIES, SPONSORED BY DJI
記事原文:No Film School 掲載「Watch: The First DJI Inspire 2 Short Film is Here」(2016年11月18日)
短編映画「The Circle」メイキング編
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